我未足得木鶏

ディプロマシーについてあれこれ。

ストラグル・オブ・エンパイア イギリスプレイレポ(初回プレイ)

 

「これやりませんか?」言われたときに「絶対これ好きなやつだ」と思った本作。

実際とても面白かったのと、あと「事が全て上手く運んだ」のもあり忘備録として記す。

ゲームのルールやシステムにはほぼ言及しないので興味のある方は、

 

https://www.youtube.com/watch?v=DaX-0fMG3Es

 

https://bodoge.hoobby.net/games/struggle-of-empires

 

などを参照されたし。

 

注意・国家が諸地域に有している拠点およびそこから得られる勝利ポイントを「権益圏」と以下では呼称。

すべて記憶に頼って記載してるので、実際とは違った点あった際はご寛恕ください。

 

4人プレイ イギリス(自分)・スペイン・プロイセン・ロシア

ネーデルランドオーストリア・フランス)の三国はNPC

 

 

第一戦役

 

まずランダムに自国の拠点が各地域に配置される。

イギリスはドイツ諸邦や地中海といったゲーム屈指の豊かな地域を含むヨーロッパを中心としたエリアを確保することになった。

これは第一戦役から高得点が狙えるというメリットはあるが、軍の移動が容易なヨーロッパは一度火がつけば容易には収まらないであろう。

 

「なるべく穏やかに過ごす(初期基盤が優位なので)」を基本方針としてプレイすることに決定する。

 

しかしそもそも大きな動きが無い。

 

覚えているのはイギリスが他国が見逃していた中米の植民ポイントを確保し、単独首位となったこと、プロイセンオスマン帝国のイギリス拠点を奪取したこと、報復としてイギリスが彼の北米拠点を奪取したことくらいである。

 

そのまま静かに第一戦役を終えてみると、いずれの国家も自国の将来へ向けた動きに終始し、他国へ向けた積極的な働きかけは低調であった。

これは特別効果タイルを序盤に集めたいこと(枚数が限られているし、一戦役に一度のみ使用できる等の制約があるため)や、軍備に最初から投資したくないこと(維持費の関係から)、植民で拠点を築けること、などによるものに起因していたようだ。

 

・・・

 

第一戦役終了時の勝利ポイント集計ではイギリスが他国を9ポイント程度リードする。

それを見た英PLは「いやぁ、9ポイント程度大した差じゃないですよ。」と発言。

9ポイント差は兎も角、「その差を生み出す権益圏の差」は放置し得ないと思われるのだが、そんな解り切ったことは一々口にしないのが紳士というものである。

 

 

第二戦役

 

PL陣営の組み分けは引き続き同じグループとなり始まったこの戦役では、

プロイセン・ロシア連合の激しい攻撃にイギリスが晒され、スペインはそれを放置する、という流れに当然なる筈である。

「みんななかよく」拡張していったならば勝利ポイントの差は拡大する一方なのだから。

 

しかし「敵がガッショウするならレンコウのサクを用いよ」とチョウギは言った、マスター・シバセンもシキにそう書いている。

 

蛇足・秦が強大化すると蘇秦の言に従い六国は合従して対抗した。 それに対し秦は張儀の連衡策(それぞれと個別に盟約)を用いて各国を切り崩した。

 

・・・

 

初手プロイセンは英領バルト海に艦隊と陸軍を派兵。

対するイギリスは同数の軍を派兵、勝負は五分である。

ここでイギリスはスペインに援軍を要請。

当然スペインは断るがイギリスは、

バルト海の協同首位をスペインに譲渡、それに必要な軍をイギリスは提出する。 またオスマン帝国プロイセン拠点をスペインが攻略する、それに必要な軍をイギリスは提出する。」

と交渉、これをスペインは受諾しバルト海に援軍を派遣。

 

こうして第一次スウェーデンの戦いは英西連合軍がプロイセン軍を圧倒的兵力で撃破する。

プロイセンはこの後も中米のイギリス拠点を攻撃するも1拠点のみの攻略に止まる。

 

イギリス外交はロシアに対しても行われる。

英露はゲームで最も豊かなドイツ諸邦で協同首位であり、北米など拠点が競合している地域が多い。 これを活かし、

 

「貴国がドイツに派兵すれば我が国も派兵し、貴国が他地域に派兵すればドイツは保てません。 この第二戦役では我が国は権益圏を拡大しませんからその間に拡張されれば良い。 互いに不可侵条約を結びましょう。」

と提案し、これも受諾される。

 

こうしてイギリスは他国の(あるべき姿である形としての)連携を切り崩すことに成功。

第二戦役では軍事力の拡張とスペイン支援にひたすら専念する。

 

スペイン支援であるが、もちろんイギリスの真意としては、

スウェーデンの戦いに協力して頂いたことに対する感謝の表れ」以外の何物でもないのだが、結果的には、

 

A・スペインの軍事力増大を抑止(イギリスが手を汚してくれるのに自国で軍を用意する必要があろうか?)。

B・スペイン拠点諸地域にイギリス軍が配置される。

 

といった効果ももたらした。

Aはイギリスがどうこうできる事案ではないし、Bはプ露両国からの防衛である。

 

それ以外に何ら他意はないのである。

 

・・・

 

第二戦役終了時の勝利ポイント集計ではイギリスと他国との差はむしろ広がった。

イギリスは権益圏を拡張していないのは事実であり、権益圏自体の差は急速に縮まったのだが、それが逆転し、勝利ポイントの差を埋め、逆転につなげる機会は後一度だけである。

 

 

第三戦役

 

ここでイギリスは軍事力第二位のロシアとの同盟を提示し、大金を(借金して)支払う。

スペインはそれを上回る金額を出してそれを阻止しようとするが、イギリスは、

 

「この借金で我が国の不安度は列国で最大になり、ペナルティのマイナス7ポイントを受けることになるでしょう(この時点での英西の差は11ポイント程度)。 それはスペインにとって大きなメリットですのになぜ阻止されるのですか? 私は少しリードし過ぎてしまった故このように申し上げているのです。」

 

と説き、スペインは金額の提出を取りやめる。

 

この言葉のどこにも嘘はないのだが、

まあ違った解釈は可能だろう、とも思う(英露が組むと必然的にスペインとは同盟外となるので)。

ロシアがなぜ妨害しなかったのか、は不思議であるがロシアも軍拡故国庫不足であり、不安度もため込んでいたのでそれを危惧したのかもしれない。

 

こうして第三戦役がスタートした時点でイギリスは、

誰よりも高ポイントで、誰よりも豊かな権益圏を確保し、誰よりも強大な軍備(ちなみに国庫収入は軍隊維持費ですべて溶ける)を備え、次点で強力な国家と連携する、といった「もう少しこう何というか 手心というか...」な状況。 

 

・・・

 

簡潔に記す。

 

初ターンにスペインはバルト海に派兵。

これをイギリスは「プロイセンバルト海攻略の先兵である」と判断(プレイ時はそう本気で思ってたのだが、思い返せば単に安全保障上の行為だったかもしれない)、軍情報部もそれを示す電文を「発見」したこともあり、英西は即時開戦。

 

こうして始まった第二次スウェーデンの戦いはイギリスが敵軍の2・5倍の戦力を投入し勝利。

同時にオスマン帝国のスペイン拠点を「守備」していた軍に攻略を命令。

こちらは3倍の戦力差であり、圧倒する。

 

それ以上戦う必要もないので停戦し、各国間での争いも他に起こらずゲームは終了する。

 

・・・

 

第三戦役終了時の勝利ポイント集計ではイギリスが首位となり勝利した。

他国との差は15~20ポイント程度であり、これは他国が一戦役で獲得する70~95%に相当するので大きな差であろうと思う。

最終得点集計前

 

 

ゲームのまとめ

 

第二戦役に他国がオールでイギリスを叩くべき盤面でそうさせなかったのが最大の勝利ポイントであり、ほとんどここで決まっていたように思う。

 

4人プレイなので、

A・「他国を抑止するコスト」は5~7人プレイに比べ格段に増加している。

B・しているからこそより早い段階で、より強力に抑止せねばならない。

となる(と愚考する)のだが、Aの部分を上手く強調できたのが功を奏した。

 

それに加えて第三戦役でも英露連携に持って行くなど、抜かりなく戦えており、それが結果にも反映したようだ。

 

・・・

 

今回のプレイは全員が初回者であり、ゲームの感覚がまだ手探りだったことも大きく益している。

経験者のみで行われたならもっと序盤から難しい決断を迫られることだろう。

 

同卓頂いた皆様に感謝申し上げるとともに、そんな日がくればいいなぁ、と思いつつ、駿河屋で今作をポチりつつ筆を置く。