我未足得木鶏

ディプロマシーについてあれこれ。

外交に勝つためのヒントのヒント

これは「https://www.ultraboardgames.com/diplomacy/tips.php」の解説、というか解説の解説、『ぼくのかんがえ』以上のものではないです。

全文翻訳は問題ありそうなのでタイトル以外はサイトと内容が違います。 原文を読まれた上でご覧ください。

 

 外交に勝つためのヒント

 

1 全てのプレイヤーと連絡を取り合う。

 

その対極にあるのが交渉時間の全てを2国間対話のみに費やす行為です。 

そのような光景を最近だけでも数度見たのですが、このような事を行うプレイヤーが良い結果につながったことは見たことがありませんし、あったとしても非常にまれな現象です。

またそこまで行かなくても序盤から交渉相手が偏重してしまうプレイヤーは多く見られるのではないでしょうか?

 

 

なぜ「全てのプレイヤーを取り合う」ことが必要なのでしょうか?

「なぜそうしないのか?」「なぜ特定のプレイヤー(たち)とのみ外交するのか」

と言った点から考えてみます。

 

 

① 交渉時間の不足

 

交渉時間が何分あるか?でゲームは大きく変質しますが、たいていの対面戦では初年度春に45分、以後は30分を切るのが多いです。 これはこれ以上の時間をかけると1日では1905年にすら進めないので現実的にはこのくらいになります(合宿や「次回持越し前提」ならもっと時間は確保できるでしょうがハードルは高いです)。 

時間が足りないから交渉できない、という訳ですね。

 

② そもそもその必要性を感じていない

 

本質的にはこちらの理由が大きいと考えます。 

逆説的ですが交渉時間を持て余しているプレイヤーに理由を問うと「誰と何を話して良いかわからない」といった答えが返ってくることが多いです。 おそらく特定の相手としか交渉しないプレイヤーも「その国以外とは何を話せば良いのかわからない」のではないでしょうか(実際そうとしか思えない盤面も多いのですよね…)?

これは①と負の相互支援になっていて、「交渉時間が少ない⇔特定の国以外と話す必要が無い(と感じる)」が連鎖しあいます。 

こうなると簡単に「全てのプレイヤーと連絡を取り合う」といった原則は破壊され、交渉時間の全てを特定のプレイヤー(たち)との間で費やすことになります。

 

 

次に「なぜそれが問題なのか?」を考えてみます。

 

 

軸となるのは「自立したプレイヤー」ということです。

ここでは「盤面(ゲームがどのような状況にあるのか)にしろ、そこに至った過程にしろ、相手に対する提案にしろ相手から受けた提案にしろ、自分の中に『基準』があり、それに従って行動を左右し勝利を目指せるプレイヤー」と定義します。

 

私はこれができることは非常に大切であり、ディプロマシーをプレイするうえで基本となると考えています。

なぜなら自立してないプレイヤーは、①ゲームを投げる ②ゲームの目的を(自分の中で)すり替える ③あるプレイヤーの完全な言いなりになる ④ ③を嫌って誰の言葉も聞かなくなる この4パターンに収束するからです。 厳しい書き方ですが、基準自体がないのですからどうしてもそうなってしまうのかもしれません。

こうなるとテーマである「外交に勝つため」に資することがないだけでなく、ご当人にとってもあまり楽しくない、と感じられるのではないか?と思います。

 

自立するためには多国間と交渉を行い、それぞれの内容を比較検討する必要がありますが外交する範囲が狭いとそれができません。 これが問題です。

 

 

最後に「ではどうすれば良いのか?」です。

 

 

まず「交渉時間の不足」への対処ですが、話す・聞く内容のポイントを絞りましょう。 交渉の最初に「交渉内容はここです」と定めることで問題を明確化します。

とはいっても慣れないうちには難しいので、「他の方ともお話ししないといけないのでX分でお願いします」と最初に時間を区切ると良いでしょう。 相手にも自分にも時間の意識を与えます。

交渉時間を自分との間だけで消費しようとする相手には要注意です。 相手の「意図」は兎も角、やってることの「意味」は、「俺の話だけ聞け、他の奴の話は聞くな。比較検討なんてするな」ってこと以外ではないですからね。

 

次に「そもそもその必要性を感じていない」ですが、これは「盤面を把握し、その中から可能性を見出せば交渉の種はいくらでも出てきます」となるのですが、これもはじめのうちはなかなか難しいですよね。 

私がお勧めしたいのは率直に交渉相手にそのことを告げる、というものです。

「今私はこのような状況なのですが、どうしたら良いと思いますか?」と聞いてみましょう。 相手があなたとの関係を望んでいれば、何かしらの提案はあるはずで、それを検討できます。 またこれだけでも他の交渉相手があなたに不均衡な取引を持ち出してくる可能性は大きく減少します(「こちらの提案が滅茶苦茶なのをばらされたらどうしよう?」という訳です)。

 

長々と書きましたが、このゲームのタイトルは「外交」ですから何より楽しむためにも活発に交渉してみましょう!

 

 

 

 1だけで本当に長い()のでここからは簡単に。

 

2 目立たないようにする。

 

(・・・できてない人間が語る内容じゃないんだよなぁ。)

 

3 「なるべく」真実を告げる。

 

必要な部分で必要な嘘をつくのはむしろ大切ですが、極力真実(またはそれに類するもの)を語るメリットは確かに大きいです。

一番良くないのはつく必要など全くない嘘をつくことで、これをやると「そもそも理解してない(できない)のではないか?」と思われてしまい、こうなると交渉自体が難しくなります。 理解できない相手と交渉しても無駄だからです。

 

4 少なくとも一人の友人と一人の敵を持つ。

 

ディプロマシーの交渉で話される内容の多くが「同盟の締結の誘いと、その切り替えの誘い」であり、このゲームの中心的な概念です。

同盟自体が敵に対処する必要から結ばれるものですから、敵ををはっきりさせないと「仲良くしてくださいね。」以上のものにはなり得ませんし、そのような同盟が機能するはずもないです。

 

・・・もうこれ以上に書くこともないんですが、「私の周りの強い人戦争しない人です」とか書かれてたり、慣れていないプレイヤーの多くが「中立的」な言動するの見るにつけ、この「敵を定めてこそ友人ができる」って概念が特に理解されてなさそう。

 

5 敵の敵は味方

 

そのまま。

 

6 維持命令は避けるように。

 

無意味な維持命令が出てるかどうかで初回者なのかそうでないのかが判別できるレベルで差が出る部分。

 

7 弱いプレイヤーを援助する。

 

これは難しい。 少数派に盤面コントロールされないために消す選択肢も有効だからだ。 

ただここでは、「一強になるな。 ライバルを(自分が越えない程度に)育てろ」との意味で述べられているか。

 

8 同盟国に忠実に。

 

これもタイトルだけでは誤解を招きそう。 

同盟それ自体は手段であって目的化してはならない点に留意。 最も忠実であるべきは自国だからだ。

 

9 敵の向こう側で味方を探す。

 

対象国について述べられている。 ただこれもそれ自体を目的化しないように。

対象国を絶対化するのはむしろ有害であるかもしれないが、無視して良いことは一つもないから。

 

10 楽しんでプレイし、ゲームの後には握手を!

 

そのまま。