フンタ・ルール
イントロ
美しき島国「バナナ共和国」。 共和国政府の主たる収入源は「大国」からの外国援助金であるが、これをこの国のいくつかの有力な「ファミリー」はそれを独占することで繁栄を極めていた。
しかし、衝撃的な知らせが政府首脳部に届くこととなる。
『近く援助金は打ち切りになる』と。
この日よりファミリー間での陰謀と暴力は一気に過熱し、それは援助金の打ち切りによって政府が潰れるその時まで続くであろう…。
勝利条件
大統領が充分な外国援助金の枚数を引き出せなくなった時点でゲームは終了し、最も高い金額をスイス銀行の口座に蓄えたプレイヤーが勝利となります。
政治カードの種類と説明
暗殺者カード ・・・ フェイズ6:暗殺 で使用できる。 暗殺を実行するために使用する。
賄賂カード ・・・ クーデター中に部隊を買収したり、暗殺者を免れたりするために使用する。
イベントカード ・・・ ルール上不可能なことを実行したりすることができます。
影響力カード ・・・ 投票時の票を提供します。 表向きに表示し、手札枚数に数えます。
秘密政治献金カード ・・・ 捨て札にすると外国援助金の一番上のカードを引くことが出来ます。
投票カード ・・・ 投票時の票を提供します。 投票終了時に捨て札になります。
外国援助金(マネーカード)
100万、200万、300万ペソの3種で計96枚あります。
山札やスイス銀行口座と手札は両替できません。 山札の残りは確認することが出来ません。
プレイヤーは表向きになっていないカードを他のプレイヤーに譲渡や売却可能です(暗殺またはクーデターの余波フェイズ除く)。
大統領の選出(投票のやり方)
(簡単な理解・使命と投票、1次投票後そこの票を重ねる形で2次投票する。)
ゲームの開始時、ゲームの所有者が大統領を指名します(自薦も可、複数人も可)。 そこから時計回り順に指名と投票を(カードの票を使用して)行います。 辞退も可能でその場合投票された票は無効となります。
交渉と議論の後、もう一度上記を行い(つまり最初に使われていなかった票を追記する形で)投票を重ね、最多得票したプレイヤーが大統領となります。
共和国の役職
(簡単な理解・大統領が資金とポストの配分、内務大臣が強制可決と暗殺で内政を支配。 旅団将軍が歩兵部隊による制圧力が高く、海軍と空軍は砲撃空爆で敵にダメージを効率的に与えられるが部隊数が少ないので制圧力が低い。)
大統領 ・・・ 外国援助金の分配案の提示と閣僚ポストの指名、4つの官邸護衛隊のコントロール。
内務大臣 ・・・ 予算案の強制可決と暗殺の実行、亡命帰国者の射殺、4つ警察のコントロール。
陸軍第1~3旅団将軍 ・・・ それぞれ6つの歩兵部隊のコントロール。
海軍提督 ・・・ 砲艦から砲撃可能。 1つの海兵隊のコントロール。
空軍司令官 ・・・ 3つの航空攻撃隊が空爆可能。 1つの空挺部隊のコントロール。
大統領の暗殺と辞職
大統領が暗殺された場合は残りのプレイヤーで投票し、新大統領はこのターン元の自分のポストと大統領を兼務。 大統領が辞職した場合は投票し、元大統領は新大統領のポストに就きます。
政略ターン
フェイズ1 政治カードを引く
各プレイヤーは2枚ずつ政治カードを引きます。 足りない場合は捨て札をシャッフルして新たな山札とします。
プレイヤーが手札として持てるカードの枚数は6枚で、これは表向きで場に出ているカードも含めます。
フェイズ2 閣僚ポストの配分
大統領は各プレイヤーを閣僚に任命します。 全プレイヤー引継ぎでも、変更でも可能です。
フェイズ3 外国援助金の受領
大統領は外国援助金の山札から8枚引きます。
フェイズ4 予算審議会
大統領はどのプレイヤーにどれだけ外国援助金を渡すか決定します。 これに自身のマネーカードを加えても良いし、自身の手持ちと両替しても良いですが、他のプレイヤーと両替することはできません。
この決定に対し投票を行い、もし予算案が通らなかった場合「クーデターの口実あり」になります。
内務大臣は予算案の強制可決が可能で、その場合4枚の警察カウンターはゲームボードの下院に集まり、銀行は「昼休み」となります。
予算案が否決された場合銀行は「祝日休業」となり、今回受領した外国援助金は大統領の手元に残ります。
フェイズ5 所在の決定
各プレイヤーは自身の所在カードを1枚選びます(それがこの政略ターンの自分の所在地です)。
このターンに亡命することも可能です(詳細等は説明書を参照)。
亡命と亡命よりの帰還
フェイズ6 暗殺
最初に内務大臣から暗殺の実行を宣言します(しなくても構いません)。
次に時計回りで宣言していきますが、その他のプレイヤーは暗殺カードを持っていない場合は実行できません。
内務大臣は暗殺カードを持っていれば追加の暗殺が可能です。
暗殺を実行するプレイヤーは「対象のプレイヤー名」と「推定所在地」を宣言します。
全てのプレイヤーが宣言した後に宣言された順で処理を解決していきます。
内務大臣の職能としての暗殺(つまり暗殺者カードを使用しない暗殺)は2ターン続けて銀行を指定できません。
暗殺の効果
死亡したプレイヤーは即座に自分の政治カードすべてを捨て札とし、手持ちのマネーカードをすべて暗殺したプレイヤーに渡します(暗殺したプレイヤーが誰かに暗殺され死亡していた場合は表向きに外国援助金の山札の下に置かれます)。
暗殺されたプレイヤーは次のターンにゲームに参加できます(ファミリーの代替わり、という訳です)。
「クーデターの口実あり」となります。
死亡や亡命した閣僚のポスト
空位のポストは大統領が兼務します。 複数のポストが空位の場合、どれかを選択します。
フェイズ7 銀行
このフェイズに銀行が「営業中」で、フェイズ5で銀行を選択し、生存中であれば、プレイヤーはスイス銀行の口座にマネーカードを預金または払い戻し可能です。
銀行が「昼休み」の場合、クーデターが終了した時ないしクーデターが発生しなかった場合に再開します。
「祝日休業」の場合、銀行業務は行えません。
フェイズ8 クーデターの開始
クーデターは「クーデターの口実あり」の場合は大統領以外のプレイヤーは誰でも、そうでない場合でもフェイズ5で「司令部」を選択したプレイヤーはクーデターを開始できます。
A クーデターは盤面上に新たなカウンター(部隊)を配備するイベントカードを使用する。
B カウンターを移動させる。
C 空爆や艦砲射撃を大統領官邸に命じる。
事で開始されます。
(簡単な理解・要するに盤面上のカウンターに何か命じたらクーデターの開始となります。)
クーデターを開始したいプレイヤーが複数いる場合、大統領の左隣から順に最初に行動を起こしたプレイヤーが「首謀反逆者」となります。
フェイズ9 クーデターの余波
(注意! クーデタールールを把握しないと意味が通りません。 一読の上でクーデタールールを把握された後にもう一度読んでください。)
大統領側が勝利した場合・亡命中でない反逆者を1人処刑できます。
反逆者側が勝利した場合・臨時政府(JUNTA・フンタ)が形成され、新大統領を選出します。
投票はフンタメンバーがそれぞれ1票持っており、投票により決定します、同数の場合は首謀反逆者のプレイヤーが決定します。
新大統領が決定されたら彼は「誰でも」1人処刑できます。
フンタメンバーとは?
ではないのは?・・・大統領・忠誠者で陣営の選択時に大統領側についたプレイヤー・忠誠者で陣営の選択時に反逆者側についたプレイヤー・反逆者側で陣営の選択時に大統領側についたプレイヤー
メンバーなのは?・・・反逆者側で、陣営の選択肢に反逆者側についたプレイヤー
クーデタールール
クーデターはいつでも全員の同意があればその時点でどちらの陣営の勝利か決定できます(たとえば大統領以外の全プレイヤーが反逆者側についた場合に大統領が合意する、など)。
クーデターの順序・・・
反逆者フェイズ、その後第1~第6クーデターフェイズ。
各フェイズは「移動セグメント」と「戦闘セグメント」に分かれ、
戦闘セグメントは ・攻撃宣言 ・砲艦と航空攻撃隊の攻撃 ・3回の攻撃 の3ステップに分かれています。
クーデターの概要・・・
クーデターの開始時に反逆者フェイズが発生し、首謀反逆者から時計回りにカウンターの移動や砲撃の宣言をすることが可能です(次のフェイズはその左のプレイヤー、その次はその左のプレイヤーが最初に行動できます)。 このターンにそれらを行ったプレイヤーは「反逆者」となります。
忠誠者側を選択したいプレイヤーはこのフェイズはカウンターの移動も反撃も行えません。
移動セグメント・・・
移動するプレイヤーは自分のカウンターのある1エリアを選択し、その全て、または1部のカウンターを隣接するエリアに移動させることが出来ます(「ヘリコプター」カウンターのみ2つのエリアを移動できます)。
空挺部隊は移動セグメント中に盤面のいずれかのエリアに空挺降下でき、海兵隊は港に隣接するいずれかのエリアに上陸させることが出来ます。 両者ともそれは移動とは数えません(その地点から移動できます)。
新たなカウンター・・・
政治カードによって新たなカウンターを登場させることができます。 まだ他のカウンターを移動させていなければ即座に移動させることが可能です。
警察の対応・・・
反逆者のプレイヤーが特定の種類のカウンターを反逆者フェイズに登場させた場合、内務大臣は第1クーデターフェイズにカウンターのいくつかを(または全部を)そのカウンターの登場エリアに配置できます。
カウンターの交換・・・
プレイヤーはカウンターのコントロールを他のプレイヤーに与えたり、交換したりできます。
戦闘セグメント・・・
宣言・・・
戦闘が行われるか不確実なエリアがある場合、大統領から初めて時計回りに、各プレイヤーが戦闘を行うエリアを宣言していきます。
戦闘が発生するエリアが複数の場合は首謀反逆者が解決の順番を決定します、彼が亡命中の場合は大統領が解決の順番を決定します。
砲艦と航空攻撃隊・・・
各自は砲撃を宣言できます。 自身が攻撃されることはありません。
砲艦は、クーデターの各フェーズで1回砲撃できます。
航空攻撃隊は、3つの異なるフェーズで空襲を宣言できます。
使用した航空攻撃隊のマーカーは裏返してください。
交戦・・・
各エリアでの戦闘は3回の交戦からなります。 プレイヤーは攻撃を受けても反撃しないことを選択することが可能です。 プレイヤー新たな戦闘のたびにどのプレイヤーを攻撃するか宣言します。
ダイスロール・・・
それぞれの部隊カウンターの後ろに書いてある数の合計値分ダイスを振り、6が出たら攻撃相手のカウンターを1つ除去できます。
1/2表記のカウンターは2つにつき1でカウントし、官邸護衛隊は1※であり「大統領官邸」で戦闘する場合のみ2とカウントします。
退却・・・
戦闘の結果最も部隊の損失が少なかったプレイヤーはその場に残り、そうでないプレイヤーは彼が許した場合にのみそこに残ることができます。
それ以外のプレイヤーは隣接したエリアに撤退する必要があり、カウンターが置かれていないか、置いてあるカウンターのプレイヤーから許可を得る必要があります。
複数のプレイヤーがそうする必要がある場合、クーデターフェイズのプレイ順に従います。
大使館・・・
大使館のエリアでは戦闘は禁止です。 大使館にカウンターを置いているプレイヤーは亡命することが可能です。
陣営の選択・・・
第6クーデターフェイズの終了時にすべてのプレイヤーは首謀反逆者から時計回りに反逆者側か大統領派か宣言します。
(簡単な理解・つまり状況に応じて反逆者側でスタートしたプレイヤーも大統領派になれるし、逆も可能、ということです)
クーデターの勝利・・・
反逆者側のカウンターのみが置かれているエリアは反逆者側のエリアとしてカウントし、
1つでも大統領派のカンターが置かれているエリア、または全く何も置かれていないエリアは大統領派が支配するエリアとしてカウントします。
5つの権力中枢エリア(「中央銀行」「下院」「大統領官邸」「放送局」「駅」)のうち、3つ以上を支配している陣営が勝者です。